夜が来るたび、今日は寝つけるだろうか?という不安。
ベッドで眠たくなるまでYouTubeや動画を見て、いざ寝ようと目を閉じると、今日の出来事や明日の予定、仕事の悩みや人間関係が頭を駆け巡り、寝ようとするほど思考は止まらず、気がつけば朝。
毎日が頭のなかが曇ったような状態で、パフォーマンスが発揮できない。そんな経験はありませんか?
そんな現代の寝つき問題を解消すべく、本稿では筆者も実際に行っているスッと入眠につける方法と睡眠の質を取り戻すための実践的なガイドをお届けします。
「考えすぎる」原因はなんなのか?
いざ、寝ようとして目を閉じると、思考がうごく。つまりいろいろ考えて止まらないのは、以下3つの原因にあてはまるのではないでしょうか。
原因1,職場およびビジネスのストレス
職場での締めきりにおわれていたり、業績圧力、特に会社経営者や個人事業主の場合、業績が思うように伸びない時の財務の心配や社員の給料、生活費などの責任は、心を常に緊張状態に保つといわれています。
原因2,人間関係の問題とデジタルコミュニケーション
家族や友人、同僚との関係は、時にストレスの原因となります。特に現代は、LINEやSNSなどのデジタルコミュニケーションでは、文章の伝え方による誤解が生じやすく、相手が意図していないことにも関わらず、自分で勝手に思い込んでしまい不安や心配を感じることがあります。
原因3,デジタル社会の情報過多と心の疲れ
毎日眺めているSNSやニュースサイトからの絶え間ない情報流入は、情報過多をひきおこすと言われています。この場合、本の文字がはいってこなかったり、ひとつのことに集中しようにも、他のことが思い浮かんでしまいで思うようにできない。というのが目安です。
そのほか、心を圧倒し、今の自分を忘れてしまいがちになることもあります。勝手に自分を他人と比較し、取り残るされたような空虚感やあせりを感じることがあり、これらの感情は、心の疲れや心理的なオーバーロードを引き起こす原因とも言われています。
「考えすぎる」原因を対処する方法
「考えすぎて眠れない」時、一時的に楽になる方法と、問題を根本から解決する方法がありますが、それらを意識して使い分けないと、「考えすぎる」という状態を永遠にくり返す日々を送ってしまいます。
一時的に楽になる方法
これは、すぐにできて、すぐに楽になれる方法で、深呼吸や軽いストレッチ、好きな音楽を聴くなどがあります。
例えば、昼寝は短時間でリフレッシュするのに役立ちますし、会議の前には好みの音楽を聴いたり、深呼吸や短い瞑想で集中力を高めることができます。
注意点は、これらの方法は、一時的なストレスや疲れを和らげるのに適していますが、長期的な解決にはなりません。
根本から解決する方法
これは、問題の深いところに対処する方法です。ブレインダンプで考えを整理したり、専門家のカウンセリングやセラピーを受けたり、マインドフルネス瞑想を行ったりすることが含まれます。
これらの方法は、「考えすぎる」「思考が安定しない」など、根本的な原因に直接取り組み、具体的な解決策を見つけたり、行動を変えたりするのに役立ちます。時間がかかるかもしれませんが、長期的にはより効果的です。
「考えすぎる」原因の解決策にはブレインダンプ
「考えすぎる」という問題に対処するためには、筆者はブレインダンプが特に効果的だと考えます。
理由としては、紙とペンさえあればすぐに実践でき、効果をや早く実感できるからです。
ブレインダンプとは?やるメリットは?
この手法は、生産性の専門家デビッド・アレンによって提唱され、彼の著書「仕事を成し遂げる技術」で広く紹介されました。ブレインダンプは、心に浮かぶすべての思考、懸念、アイデアを紙に書き出すプロセスです。
特に「考えすぎて眠れない」場合、その原因に対して取るべき行動が明確になるため、無用な思考のループから抜け出し、心が落ち着くことができます。頭の中でぐるぐると回る思考を紙に書き出すことで、心がすっきりし、何から手を付ければいいかがはっきりと見えてきます。
ブレインダンプをやるメリット
- 思考を紙に書き出すことで、頭の中を整理し、ストレスや不安を軽減できます。
- ブレインダンプは、特別な道具や技術を必要とせず、誰でも簡単に始めることができます。
- 書き出した内容を見返すことで、問題の原因や解決策が明確になり、具体的な行動に移しやすくなります。
ブレインダンプのやり方とコツ
ブレインダンプを始める前に、いくつかのコツを知っておくと良いでしょう。コツは、ある程度大きな紙を用意して、なるべく時間をかけて、もう何も考えられないというくらいまで、どんな小さなことでもいいので、出てくるものすべてを書き出すことです。
A4サイズ以上の紙やノートを用意します。大きめの紙の方が、思考を自由に広げやすくなります。ペンは、書きやすいものを選びます。できるなら色を使い分けると、後で見返したときに分かりやすいです。
例えば仕事関連のことは青色、家庭や個人的なことは赤色といったように、内容ごとに色を分けることで、後で見返したときに整理しやすくなります。
初めてブレインダンプを行う場合は、最低でも10分はかけてみましょう。慣れてきたら、30分から1時間程度かけることもあります。経験者の中には、深く思考を掘り下げるために数時間かける人もいますが、無理をせず自分のペースで進めることが大切です。
「今、頭にあることは何か?」と自問自答しながら、思いつくままに書き出します。仕事のプレッシャー、人間関係の悩み、デジタル社会による情報過多など、日々の生活で感じるストレスや懸念事項を書き出します。プライベートな内容や他人に見られたくない思考も含めてすべて書き出します。これらは自分だけのためのものであり、他人に見せる必要はありません。
思考の書き出しの例をみる
- プロジェクトの締め切りが迫っている
- 友人とのメッセージのやり取りでムカついた
- SNSで見た知人の成功に対する焦り
- 子供たちとコミュニケーションがうまくいっていない
- 来月分の生活費が足りない
など、頭にあることもしくは、なにに悩んでいるの?と自問自答ように、すべてそのまま書き出します。
ブレインダンプ後にやるべき大切なステップ
ブレインダンプで頭の中の思考をすべて紙に書き出したら、一度立ち止まって、書き出した内容全体を見つめてみてください。
いつも、このようなことを考えながら生活しているんだと気づくと、日々のなかで今 考えていることに意識をむけて、最適な行動を判断することもできます。
しかし、ここからがブレインダンプの大切な部分です。書き出したことを見て、眠りの妨げになっている思考をみつけだして、今やるべきことを明確にします。
やるべきことが明確になれば行動するだけという意識になるので、考える必要もなくなります。
ブレインダンプで書き出した思考を整理する手順
ブレインダンプで書き出した思考の中から、特に夜に目を閉じたときに考えてしまうようなことに印をつけ、眠れない原因を特定します。
それぞれの心配事に対して、直感的に「これはどうしたらいいかな?」と考えてみます。例えば、仕事の心配事なら「明日、最初にこれをやってみよう」とか、人間関係なら「この問題について相手と話してみよう」といったシンプルなアイデアです。
考えた解決策の中から、解決できそうなことに優先順位をつけてて実行することを決めましょう。ここで重要なのは、自自分でコントロールできる範囲内の事柄に焦点を当て、手の届かない事柄は手放す勇気を持つことです。
例えば、他人があなたのことをどう思っているかはコントロールできません。他人との比較や評価による悩みがある場合、「それは自分にとって重要ではない」と受け入れ、心から手放しましょう。このようにして、必要のない心配ごとを取り除きながら、必要な悩みに最適な行動がはっきりするため、寝る時にモヤモヤすることもなくなります。
解決策を決めて優先順位をつけたら、あとはその通りに一つずつ実行していきます。大切なのは、決めた優先順位に基づいて、一つずつ解決策を実行していきます。小さな成功を積み重ねることが、問題解決への道です。
すべての解決策を実行したら、またブレインダンプをおこない、新たに浮かんできた思考や感情を紙に書きだします。このプロセスを繰り返すことで「考えすぎて眠れない」問題に対してより効果的に対処し、心配ごとを解決するための具体的なステップを踏むことができます。
ブレインダンプの適切なタイミング
ブレインダンプは、「考えすぎて眠れない」と感じる時に特に有効です。1回行った後に、しばらくして頭の中がモヤモヤしたり、やるべきことがはっきりしない時がきたら、ブレインダンプを行うタイミングです。
心がモヤモヤしている時
日々の生活で、何をすべきか、どう感じているかが不明確な時、ブレインダンプを行うと良いでしょう。これにより、心の中の混乱を整理し、何に焦点を当てるべきかが明確になります。
ストレスや心配事が溜まった時
ストレスや心配事が溜まっていると感じた時も、ブレインダンプを行うことで、これらの感情や思考を紙に書き出し、心を軽くすることができます。
ブレインダンプは、自分の心の状態を理解し、整理するのに役立つツールです。ぜひ、思考のもやつき、ざわつきで、睡眠や仕事に影響しているとかんじたときに実践してみてください。
就寝時になにも考えずスッと入眠する方法
ブレインダンプで思考を整理しても、ベッドに入って目を閉じると、また思考がうごきだして眠れなくなるのでは…。という心配がなかなかぬぐえないという方も多いと思います。
そんな時におすすめなのが、マインドフルネスの要素を活用したボディスキャンです。
ボディスキャンは、余計な時間を使わずに、寝ながら簡単にできるリラクゼーション方法。目を閉じたときに、ついつい考え事をしてしまうという場合には、ぜひお試しいただきたい方法です。
以下の手順でおこなうことが可能ですが、むつかしいと感じた場合は、Meditopiaという瞑想アプリ(ios/Android)でを使うとアナウンスつきで実行しやすいと思います。
考えずに入眠するためのボディスキャンの方法
ベッドに入り、目を閉じて全身がとろけるようにイメージしながら力を抜きます。全身の力を抜いて、体がベッドに沈むのを感じましょう。体がベッドに沈んでいくのを感じたら、深呼吸にはいります。
息を吸いこむときは、鼻からゆっくりと、丹田(お腹の下部、へその下約三指分の位置)が自然に膨らむのを感じながらします。息をはきだすときは、口をわずかに開けて、はぁ~と空気が静かに流れ出るようにできるだけゆっくり長くはきだします。息を吐き出す際には、心の緊張や日々のストレスが体から離れていくのをイメージしてください。
深呼吸を数回繰り返したら次のボディスキャンへ
コツは、足先からでもいいし、頭からでもいいですが、順番よく細かな部位ごとに意識して力みや緊張をあるところはゆるめていきます。頭からはじめるなら、頭、おでこ、目、鼻、口、足先なら足首、ふくらはぎ、ひざ、とひとつずつ、意識をむけて、力みや筋肉の緊張を感じたらゆるめていきます。
各部位をリラックスさせた後、全身がとろけるような、ベッドに沈み込むような、または宙に浮いているような感覚を感じます。この段階で既に眠りについている場合もありますが、まだ眠れない場合は、ボディスキャンを繰り返します。部位ごとにリラックスを深める作業を続けることで、心と体がさらにリラックスし、穏やかな眠りに導かれます。
睡眠環境を整える:デジタル時代の見落とされがちなポイント
適切な睡眠環境を整えることは、良質な睡眠を得るために不可欠というのはご存知の方もおおいと思います。適切な室温、照明をおとして静かな部屋など、基本的な要素もすでに実践されていることと思います。
しかし、デジタル社会に生きる私たちがしばしば見落としがちなのは、寝室内のデジタル機器からの影響です。
スマートフォンの画面、Wi-Fiルーターのランプの点滅など、些細な光源が睡眠の質に意外と大きな影響を及ぼしているとも言われています。
寝室のデジタル機器などのランプの見直し
寝室の電気をまっくらにして、就寝するベッドに横たわり、スマートフォンや他のデバイスもいつのも位置において、光が目にはいってこないか確認します。
その状態で、光が目にはいらないか確認します。スマートフォンの充電ランプ、Wi-Fiルーターのランプの点滅してなどがあれば、目にはいらない位置へ移動するか、タオルなどで覆うか、目につかないようにすることが理想です。
また、スマートフォンのちょっとした通知音も睡眠の質の妨げになる可能性があるため、就寝前にはスリープモードや「夜間モード」を活用することがおすすめです。
寝る前スマホを代替してスッと寝る準備
考えすぎて眠れないという多くの人々が、眠くなるまで、スマートフォンで動画を見たり、SNSをチェックしたりしています。しかし、ご存じのとおり、このような活動は、脳を刺激し、睡眠を妨げることがあります。
代替案としては、例えば、軽い読書、リラックスできる音楽の聴取、後は上記にあげているボディスキャンがおすすめです。これらの活動は、心を落ち着かせ、質の高い睡眠へと導く助けになります。
睡眠の質を意識した生活習慣を送る
睡眠の質を高めるためには、カフェインとアルコールの消費に注意が必要です。
カフェインは、特に午後遅くに摂取すると睡眠を妨げる可能性があるといわれております。一方、アルコールは一見するとリラックス効果があるように見えますが、飲みすぎると実際には睡眠の質を低下させます。
これはスマートウォッチで計測した場合ですが、筆者の場合はビール1本までは睡眠スコアは落ちませんが、2本以上飲むとあきらかに睡眠スコアが悪化します。そのため、就寝前のアルコールの飲みすぎは避けるべきと考えます。
スクリーンタイムと睡眠
デジタルデバイスのスクリーン使用は、睡眠に悪影響を及ぼすことがあります。特に、就寝前のスマートフォンやコンピューターの使用は避けるべきです。これらのデバイスから発せられる青色光がメラトニンの産生を抑制し、睡眠の質を低下させる可能性があります。
夕食のタイミングと内容
夕食のタイミングと内容も睡眠の質に影響します。就寝前の重い食事や刺激的な食品は消化に時間がかかり、睡眠を妨げることがあります。軽く消化しやすい食事を選び、睡眠の2~3時間前には食事を済ませることが推奨されます。
定期的な運動と睡眠
定期的な運動は睡眠の質を向上させることができますが、就寝直前の激しい運動は避けるべきです。激しい運動は体温を上昇させ、心拍数を高めるため、リラックスして睡眠に入るのを妨げることがあります。運動の最適なタイミングは、就寝の少なくとも1~2時間前です。軽いストレッチやヨガなどの穏やかな活動は就寝前に行っても問題ありません。
まとめ
“考えすぎて眠れない” – この深い苦悩を解消するため、実践できてすぐに結果が実感できる方法を厳選してご紹介しました。
考えすぎる原因の理解から、心を静めるテクニック、睡眠環境の最適化、ブレインダンプ、ボディスキャンのマインドフルネス、そして日々の生活習慣の見直しまで、各トピックを深く掘り下げて解説しました。
「考えすぎて眠れない」と感じる時、これらの方法を試してみてください。穏やかに眠りにつき、清々しい朝を迎える一歩となるかもしれません。
毎日をリフレッシュしてスタートするために、これらのステップを取り入れることを心からお勧めします。