2021年9月27日からU-NEXTでカルロスゴーン被告のドキュメンタリー映画「カルロスゴーン最後のフライト」が独占見放題で配信が開始されました。
この映画は、カルロスゴーン氏が 1999年に日産自動車の最高責任者へ就任してから2018年11月、金融商品取引法違反で逮捕になるまでの経緯を関係者の証言によって制作されたドキュメンタリー映画です。
見どころは、なんといってもカルロスゴーン本人が撮影に協力し、逮捕時の状況や逃亡までの経緯と、その方法のすべてを暴露しているところ。ゴーン氏がどういう逮捕から心境に追いこまれ、国外逃亡という手段をどのような方法で遂行したのか全貌があきらかになっている。
カルロスゴーン氏のプロフィールと経歴
カルロスゴーン氏は1954年にブラジル生まれる。幼少期はフランスで過ごし、国立高等鉱業学校、フランス国立理工科大学を卒業して、世界的タイヤメーカーのミシュランに入社。
五か国語を流暢に話し、持前の経営能力でミシュランにはじまり、ルノーそして日産自動車にて数多くの実績を残す。仕事への情熱ぶりは、米フォーブス誌にも「世界の自動車業界において最も多忙な男」と称されるほど。
2021年の現在67歳となる。
3年後(仏)ル・ピュイ(Le Puy)工場長に就任
破綻寸前の状態から約1年で南米ミシュランを黒字転換する
1年後の1990年北米ミシュランの会長、 社長兼 CEO に就任する
1年後の2001年6月に日産自動車の社長兼CEOとなる
1年後の2019年1月に特別背任罪で追起されルノー会長職を辞任、日産自動車の取締役を解任。
ドキュメンタリー映画では妻キャロルゴーンと現在のレバノンで過ごす様子や心境なども語られる。
ゴーン氏側から事件経緯が明かされるのは日本初
この映画を製作したのは、中東最大希望のメディアといわれているMBCが、イギリス「BBC Storyville」 フランスの映像制作会社「アレフワン 」 の協力を得て制作。2021年6月に行われた世界最大級の映画祭「シェフィールド国際ドキュメンタリー映画祭」に選出され初上映され、おおくの反響を集めた。
出演は、カルロスゴーン本人だけではなく当時、弁護を担当した高野弁護士や無罪請負人と呼ばれる弘中弁護士、ゴーン被告の隠蔽工作を主導したとして今も保釈中のグレッグケリー氏、そして、ゴーン氏の妻キャロルゴーンなど当事者が出演し、事件の真相を訴えている。
なお、映画の最後には 日本の検察は進行中の事件のため本作への参加を拒否、また日産も出演を拒否したというテロップが流れた。ここに制作側が伝えたいメッセージがあるようにも見えた。カルロスゴーン被告は、本当に不正行為をはたらいたのか?その真実が垣間見える作品です。
カルロスゴーンという社内での人物像があきらかに
映像内では、カルロスゴーン被告本人の仕事の流儀だけでなく、関係者からみた社内での人物像にもふれている。
1999年に日産自動車の最高責任者へ就任してから約2兆円もの借金を4年で完済後、過去最高益をただきだし見事なV字回復をしたカルロスゴーン経営。その一方で、大量リストラを決行したV字回復を「コストカッター」とよび、ゴーン氏の経営方法を皮肉に思うひとも少なくなかったようにも感じた。
その反面、いまにも倒れそうだった日産自動車が持ち直したのは、ゴーン氏が周囲を敵にまわしてまで大量リストラを決断したからこそ。という見方をするものもいる。経営手腕の評価もみるものによって全く違うということも、関係者の発言から分かる。
ゴーン氏の年間役員報酬は15億~17億
また、 ゴーン氏の役員報酬は年間 約15億~17億円といわれており、それをよく思わない役員もいたのかもしれない。映像内の証言から、カルロスゴーン氏は目的以外の無駄なコミュニケーションはしないということから、コミュニケーション不足が事件の一因にもなったのではないかとも感じられた。
どちらにしても、世界中からその経営手腕が注目されていたカルロスゴーン氏の背景になにがあったのか、様々な視点からの証言から、あらためて事件の真相がどこにあるのか考えさせられる内容です。
配信タイトル:カルロスゴーン最後のフライト
放送時間:1時間39分
配信開始日:2021年9月27日
配信終了日:非公開
配信形態:U-NEXT会員のみ見放題
配信先URL:https://video.unext.jp/?td=SID0062004
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