脚や脇、Vラインにできた赤くポツポツと黒ずんだ毛穴・・・。
その埋もれ毛は埋没毛(まいぼつもう)ということまでは知ってるけど、 皮膚科や医師も対処方法を情報発信していないため、どうやって取り除けばいいのか分からない方もおおいと思います。
実は、埋没毛を目立たなくすることは非常にシンプルです。
現状の問題をやめて適切なケアをすれば、もとのキレイな状態へ自然にもどります。
しかし、埋没毛に対して間違えた対処やケアを繰り返して、炎症や化膿を起こししまっている場合は別。
今回はそのあたりのケア方法も含めて、
美容エステ歴の10年の筆者が埋没毛を取る適切方法から日頃のシンプルな手入れ方法まで、独自の経験と信頼性のたかいエビデンスをもとに解説いたします。
埋没毛とは~おもな原因と症状
埋没毛は、カミソリや毛抜きなどの自己処理やニキビ、乾燥が原因で起こる「埋もれ毛」のことです。
皮膚のなかに毛が埋まってしまうのが特徴的な症状となります。埋もれていても、毛は成長し続けるので毛穴の中でクルクルと渦を巻き丸まった状態でとどまることが多いです。
また、毛先が角質層の中で真横に這うように毛が生えることもあります。どちらにしても肌から透けて見えるので、埋没毛は簡単に見つけることができます。
埋没毛の2つの特徴
- 毛穴に角栓が詰まって出口がふさがれており、奥に黒い色が透けている。
- 毛先が肌の内側の角質層のなかで真横に生えている。
それは埋没毛ではなく粉瘤かも。痛みやかゆい場合は皮膚科へ
埋没毛の症状と間違われやすいのが粉瘤(ふんりゅう)という症状です。
皮膚のなかに角質や皮脂がたまる腫瘍(しゅよう)で、指で絞るとニュルニュルとした臭いがある白い物質がでてくるのが特徴。 顔や首・背中やお尻にできやすく、腫れやしこりがあり、痛みやかゆさを感じることもあります。
もし埋没毛周辺が腫れや痛みがある場合は、粉瘤(ふんりゅう)の可能性も。
粉瘤は放置すると腫れがおおきくなり、痛みも強くなることから早めに皮膚科にいき、除去してもらうことをおすすめいたします。
埋没毛をほじくり出すことは絶対にやめたほうがいい
表皮にうっすらと見える埋没毛は、毛抜きや針でほじくり返したり、ぎゅっと絞りだすことを何度も繰り返すことで取り除くことができる場合もあります。
しかし、無理矢理だすことは毛穴の炎症や化膿の原因にも。
ニキビのように赤く炎症になったり、毛嚢炎(もうのうえん)や色素沈着による黒ずみ、最悪の場合、傷として痕が残るリスクも考えられます。
埋没毛が表面にうっすらと見える場合でも、毛がでてくるまで根気よく待って取り除くことが望ましいです。
埋没毛の治し方・埋もれ毛は自然に目立たなくなるのを待つのが一番!
埋没毛(まいぼつもう)の原因のほとんどは、ムダ毛処理時にカミソリや毛抜きで皮脂を削ったり・毛穴を傷つけることが原因です。
ムダ毛処理でダメージを受けると肌は「傷をうけた」と判断します。
その結果、炎症やバイ菌の侵入から守るために修復機能がはたらき、表皮で毛穴までふさいでしまい埋もれ毛に。
埋没毛は基本的に、ムダ毛処理を休止してダメージを与えることなく放置していれば肌リズムによって約1カ月~2か月で毛は表面にでてきます。
肌トラブルを起こさずに、埋もれ毛を治す方法は「抜けるまで待つ」ことが一番いい方法です。
1日でも早く埋没毛を取るには自己処理を見直し保湿は必須
汚くみえる埋没毛は1日でも早く対処したい!
でも肌のダメージも与えなくない!と感じいる方に、まずやって頂きたいことは、ムダ毛処理の方法を変えることと保湿をして表皮を柔らかくしてあげることです。
毛抜きやカミソリ処理を続けていると、何度も埋没毛が繰り返されるリスクが高くなります。
医療法人社団横浜ベイクリニックの資料によると、もっとも埋没毛になるリスクの少ない自己処理は電気シェーバーといわれていることから、埋没毛が取れるまでの期間だけでも電気シェーバーに切り替えてみることをおすすめします。(2
尿素配合のクリームの保湿で角質をはがれやすくする
肌リズムを整えるためにも保湿をすることが大切です。
特にムダ毛処理後と入浴後は肌の油分が落ち乾燥している状態のため、必ず保湿ケアを行うようにしましょう。
埋没毛をより効果的に表面にでやすくしてあげるためには、尿素クリームをおすすめする美容皮膚科もあります。(1
尿素はもともと肌がもつ成分のひとつで、角質を柔らかくして剥がれやすくする作用があるとされているため埋没毛対策の保湿クリームとして最適です。
市販の尿素クリームはおもに10%と20%のものがありますが、肌が弱い方や脇やVライン、髭(ヒゲ)などのデリケート部分は10%配合のクリームからはじめることをおすすめします。(4
毛嚢炎の可能性がある場合は皮膚科や市販薬の対処を優先する
埋没毛の周辺が赤い炎症をおこし腫れあがっていたり、 しこりや膿をもって化膿している場合は毛穴に菌がはいり毛嚢炎(もうのうえん)となっている可能性も考えられます。
その場合は、炎症や腫れの症状を対処することが先決です。
尿素クリームの使用は控え、ドラッグストアなどの薬剤師さんに適切な軟膏を相談することをおすすめします。
市販の毛嚢炎の塗り薬は「クロマイ-N軟膏」や「ドルマイシン軟膏」や、脚など広範囲の毛穴周りの炎症には「ケアノキュア」などがあり、これらの市販薬を1週間~2週間使用しても症状が治まらない場合は、薬があわない可能性が考えられるため、皮膚科に相談するとよいでしょう。
どうしても早く埋没毛を処理したい場合は角質ケアをする
埋没毛が自然にでてくるまで放置するのが一番とは分かっていても、「待てない」「気になってついいじってしまう」という人は、スクラブやピーリングで外部から古い角質を取り除いてあげると、より早く埋没毛を取り除くことができる可能性があります。
しかし、
どちらの方法も自然に抜け落ちる方法と比べて、肌の負担になることには変わりないので、やりすぎは禁物です。
とくに乾燥肌や敏感肌の方は控えるか、肌と相談しながらおこなってください。
そのほか埋没毛の周辺が赤く炎症になってる場合や、ニキビのようになってる場合もやってはいけません。
その場合は上記の説明のとおり、市販薬で炎症を鎮めてから角質ケアを行うようにしてください。
埋没毛を取り除くにはピーリングとスクラブはどちらがいいのか?
ピーリングは薬剤の働きで古い角質を溶かしたり、柔らかくして剥がすサポートをすることに対して、スクラブは粒子で擦って角質をはがしてしまう方法です。
結論からいいますと、どちらが良いなどなく埋没毛ができている部位や症状によって適切な方法を選んだほうがよいと考えます。
脇やVラインなどデリケートな部分にはソフトピーリングがおすすめ
ソフトピーリングは、市販のピーリング剤を使用して、古い角質をやわらかくしてあげる方法です。
市販にはピーリングジェルやピーリング石鹸など、色々な種類が販売されておりますが自身の使いやすいものを選ぶとよいでしょう。
脇やVラインは色素沈着がおこりやすい部位なので、なるべく刺激をあたえないような成分が望ましいです。
市販のピーリング剤のなかで肌に優しい成分はフルーツ酸(AHA)といわれております。(5
そのためフルーツ酸(AHA)配合のピーリング剤を選ぶとよいでしょう。もちろん、脚や顔の髭(ヒゲ)など他の部位に使用してもよいです。
ピーリング剤の注意点
ピーリング剤を使用後、ヒリヒリ感や赤みが発症する場合は使用を止めてください。
また、長期間の使用は肌が薄くなり敏感肌になる可能性も指摘されていることから、製品ごとの使用方法を守り、あくまで埋没毛が摂れるまでの間の使用が望ましいです。
また脚や顔など外出時に露出する部位は、必ずSPF30以上の日焼け止めで保護して、紫外線対策をすることを心掛けることが大切です。
軽い埋没毛や膝にはボディスクラブやあかすりタオルで対処
すぐにでも表皮からでてきそうな軽い埋没毛や角質のおおい膝ならボディスクラブやあかすりタオルなどで古い角質を取り除いて対処することも可能です。
スクラブやあかすりは、摩擦で肌に負担がかかるため黒ずみになりやすい脇やVラインなどには向きません。あくまで角質のおおい膝や、すぐに取り除くことができそうな埋没毛であることと、肌がカミソリ負けや炎症を起こしてないことに限られます。
一気にゴシゴシ擦って取り除こうとせずに、やさしく週1回程度を目安にケアすること。やりすぎなければ古い角質を正常化して埋没毛を取り出すことに役立ちます。
ソフトピーリングやスクラブ後にも必ず保湿を行うこと
保湿は、埋没毛が早く表面に顔を出してくれるようにつながるだけでなく、埋没毛になりにくい毛穴を作ることにも繋がります。一番大切なお手入れですので、怠らずにしっかりと保湿ケアを徹底してください。
上記であげた尿素クリームを使用しても良いです。ない場合はお手持ちの化粧水で保湿パックで、しっかりと水分を入れ角質層が柔らかくなるように促してあげましょう。 保湿パックの方法
1.コットン(ティッシュでも可)に化粧水をしみこませて脇にあてます。
2.上からラップをして10分ほどパックします。
3.10分経ったら保湿クリームや美容液を塗っておきます。
埋没毛ができにくい自己処理方法は電気シェーバーのみ
埋没毛を繰り返さないためには、表皮や毛穴にダメージをあたえないこと。
医療法人社団 横浜ベイクリニックの資料によると、もっとも埋没毛の可能性のたかい自己処理は「毛抜き」その次に「カミソリ処理」と記載しています。(2
もっとも埋没毛のリスクが少ない自己処理は、電気シェーバーとされていることから、毛抜きやソイエなど電気脱毛器、ブラジリアンワックスなどによる抜毛や、カミソリで自己処理をしている方は電気シェーバーで処理することをおすすめします。
どうしてもカミソリや毛抜きで処理したい場合の注意ポイント
電気シェーバーがダメージが少ないとはいえ、深剃りできないし、特にデート前などは、キレイに処理はしておきたい!という方もおおいと思います。その場合は、表皮や毛穴に与えるダメージ抑制するように、以下のポイントを意識して処理するようにしましょう。
カミソリ処理は逆剃りはしないこと
カミソリは刃数がおおいほうが処理をする回数が減り、肌に接触する回数が少ないため3枚刃以上のカミソリを選んだほうがよいです。
毛に逆らって剃ると、毛穴が傷つき埋没毛や雑菌やがはいりこむ原因となります。シェービングクリームなどを併用し、力を入れすぎないように気をつけて毛の流れにそって処理をするようにしましょう。(6
毛抜きで抜く場合
毛抜きで抜く場合はあらかじめ、ホットタオルや入浴後の毛穴がやわらかくなった状態に行うと抜きやすくなります。
ポイントは指で皮膚を広げて、毛の流れている方向に抜くこと。
毛の逆の方向に抜いてしまうと毛穴が引っ張られて盛り上がり、毛穴のブツブツの原因となります。
(6 自己処理後はなるべく早めに保湿ケアをおこなうようにしてください。
埋没毛の完璧な予防は「脱毛」をして自己処理をなくすしかない
埋没毛ができないようにするためには、自己処理をなくすために脱毛するしかありません。
脱毛をすることで、自己処理が次第に減少していくにつれて、肌にダメージを与えることもなくなり、埋没毛や毛穴のポツポツやブツブツなどの悩みから解放されます。
そのほか、乾燥や黒ずみの原因になることからツルスベの肌を目指す方は、後々のためには脱毛をやっておいたほうが望ましいです。
脱毛してすぐに埋没毛が抜けるわけではない
脱毛にも、エステサロンで行う光脱毛や美容クリニックや皮膚科で行うレーザー脱毛(医療脱毛)やニードル脱毛(針脱毛)など、様々な施術があります。
どの脱毛方法でも埋没毛の施術が可能ですが、表皮のなかに埋まった毛をすぐに取り除くことはできません。
脱毛をすることで埋没毛が治る過程は、埋もれた毛にダメージを与えて成長を止める。
脱毛をすると自己処理も少なくなることから、自然と表皮がいれかわりやすくなり埋没毛も抜け落ちる。という流れとなります。
皮膚科や美容クリニックなら埋没毛を取りだすことも可能な場合も!
レーザー脱毛やニードル脱毛(針脱毛)を取り扱う皮膚科や美容クリニックのなかには、毛穴に出口をつくり埋没毛を取りだしてくれる病院もあります。
どうしても埋没毛をすぐに取り除きたい場合は、カウンセリング時に相談してみましょう。
脚や脇の埋没毛対策なら光脱毛でも十分
脚や膝、脇の埋没毛の予防なら光脱毛でも十分な効果が期待できます。
ニードル脱毛やレーザー脱毛と比べて、費用も安く、大手のエステサロンは店舗数もおおく通いやすい、痛みも少ないなどのメリットもあります。
ただし、VIOや髭など太い毛は薄くなるまでに時間がかかることがあります。
Vラインや顔の髭などの埋没毛の予防は、光脱毛より脱毛効果のたかい、ニードル脱毛やレーザー脱毛のほうが望ましいです。
まとめ・埋没毛を予防・目立たなくするにはとにかく保湿が重要
埋没毛の予防・目立たなくする、取り除くなどの対処にもとにかく「保湿」が大切です。
乾燥しやすく埋没毛ができやすい脇やVラインには特に重視してお手入れしてほしいところです。 繰り返さないためには、ムダ毛処理に気をつけること。
できれば電気シェーバーを使用し、長い目で考えると脱毛も検討することをおすすめします。
また、脱毛してもすぐに毛が完全になくなるわけではないので保湿は怠らないことです。
むしろ脱毛後は乾燥しやすい状態なので、念入りに保湿ケアは行うようにしてください。
ぜひ、今回の記事が埋没毛の解決へと参考となれば幸いです。
記事の内容に関するご意見・ご感想はお問合せよりお願致します。
参考文献
(1.埋没毛が気になったら?(美容皮膚科 新宿マリアクリニック)
(2.脱毛処理の比較検討の整理(横浜ベイクリニック)
(5.エステティック業に関する情報(公益財団法人 日本エステティック研究財団)
(6.日本医学脱毛協会理事長・川口英昭氏編著 (医者が教える正しい永久脱毛 レーザー脱毛をする前に読む本P26)